《MUMEI》
制圧
「だったら陽菜は、どうして僕に佐野さんを近付けたんだよ!なんであんなことさせたんだよっ!!」










ん……?

僕は、なんて馬鹿げた質問してんだろう…。




「…ははっ、そうだったね。ごめんごめん…陽菜は僕が嫌いだもんね、僕が誰と何してても気にならないよね」

陽菜が首を振った。

「嫌いじゃない…」

「じゃあ、なに?まさか好きになったから許してとか、そんな馬鹿みたいなこと言わないよね?」

「違っ…」

僕は陽菜が言い終える前に、平手打ちした。

「これからは違うとか嫌だとか言ったら叩くから」

「……ごめんなさい」

消え入るような声で、そう謝る陽菜の体を無言で抱き寄せると、陽菜は体を萎縮させた。
足を軽く上げた体勢のまま、固まっていたおかげでできた隙間から手を入れ、僕は陽菜の体内に二本の指を一気に侵入させた。

「ひぁッッ!?」

陽菜が僕の腕を掴んだ。

「こんな状況でも濡れるんだね…もしかして叩かれて感じちゃった?」

陽菜は一瞬、反抗的な目付きで僕を見たけど、すぐに小さく頷いた。

「言っとくけど、もう同じ手は通用しないよ?」

受け入れたように見せて、裏切る。
陽菜の常套手段だ。逃げる為ならプライドだって捨てる。

「陽菜が僕に佐野さんを近寄らせたから、佐野さんは勘違いしてるんだ」

陽菜の体内に入った二本の指を、ゆっくり上下に動かしながら言った。
固く閉じられた陽菜の小さな口は、何か言いたげだったけど、言葉を造り出す余裕は無いらしく懇願するように、ただ僕の目を潤んだ瞳で見ている。

「きっと佐野さんは僕を恋人か何かと勘違いしてる。陽菜があんなことさせなかったら僕は勘違いした佐野さんに悩むことはなかったと思う……違う?」

聞きながら指を更に奥へと侵入させ、腹部の内側にある膨らみを刺激した。

「ひ…っ!?…ゃ…」

「嫌だ…って言おうとした?」

僕の腕を掴んだ手に、力を入れた陽菜の行動を“抵抗”と判断した僕がそう聞くと、陽菜は泣き出しそうな顔で激しく首を振った。

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