《MUMEI》

 











「ぎゃあああああ!変態ィィィ」

「あァ゛?」

「あたしが気を失ってることをいいことに服を着替えさせるフリしてあたしの肢体を撫で回して弄んだんですね!?」

「ンなわけねーだろ!てめえに欲情するぐれぇなら道端ですれ違う女全員に欲情するだろうが」

「ぎゃあああああ!一架さん花ちゃん逃げてぇ――――!!」

「例えだボケェェ!」












言い終えた後、二人は息を整え先程とはうってかわって無言になった…

少しの沈黙の後、先に口を開いたのは遊佐だった。












「で、あの時は途中になったがお前が溜め込んでた不満はなんだ」

「……………ほんと中途半端なことが嫌いな人ですね」

「性分だ。苛々してくるんだよ」

「……………………昨日、遊佐さんのあたしに対する”無関係”と”信用してない”って言葉が意外にも大打撃を食らいまして、言われて当たり前なんですけど、あたし子供だから仲間外れにされたみたいで寂しくて……。そんでなんとか気に入られようと熱が出てんのに一架さんの忠告も無視して少し疲れてても自分の仕事をやろうとしたら倒れて迷惑かけて……ハハ、あたしまた嫌われちゃいましたねぇ」

「…………………………」













自分自身に苦笑いをして恥ずかしげに頭を掻く。遊佐は黙って星夜を見たあと、机に目線を戻しまた筆を走らせる。


そして、

















「嫌いなんて言った覚えはねぇぞ」

「ふへ?」












唐突だから変な返事になった















「お前を嫌うヤツはここにはいねぇ。俺を含めてな。まぁ、俺の言葉は丸くはねーしお世辞も言えねぇ。だから傷付けてしまったのかもしれねーが無関係ってゆうのは俺達は一派、お前はここの手伝いってゆう立場上の話であって人間関係のことじゃねぇし、信用してねぇはお前の行動の積み重ねでいくらでも変わるんだ。………まぁ、俺の言い方の配慮が出来てねーのも悪いんだが………」















遊佐は最後の台詞を少し言いづらそうに濁した。















 

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