《MUMEI》
沢田 亘-サワタ ワタル-
〜撮影スタジオ〜

カシャカシャ

ス「お疲れ様」

羅「やっと、終わったー」

由「疲れたー」

?「お疲れさん」

羅「え?」

由「どちら様?」

?「俺は、沢田 亘!宜しくな!」

羅「山崎 羅々!宜しく!」

由「由呑です」

亘「羅々達、何年?」

羅「小4」

由「あなたは?」

亘「聞いて驚け!」

羅「何々?」

気になるな〜

身長的には、同じ学年だと思うんだけど…

亘「実は…」

羅「実は?」

亘「同じ学年!」

ガクッ

羅「もういいよ」

トコトコ

由「羅々ちゃん、待ってー!」

亘「待てよ!」

羅「何?」

亘「どこの学校?」

由「羅々ちゃん、答えてはなりません!」

羅「はーい」

亘「羅々!俺の事、知らない?」

は?

羅「知らない」

亘「次の撮影、一緒にするんだよ」

えー!!!

嫌だな〜

羅「由呑ちゃん、嫌だね!」

由「嫌だね〜」

羅「とにかく、バイバーイ」

由「あーーー!!!!」

ビクッ

羅「ど、どうしたの?」

由「亘君は…有名な子役なんだった!」

羅「それがどうしたの?」

もしかして、サイン…かな?

由「子役は、演技が得意で」

あっ!私も、気づいた!

羅と由「演技で私達を騙そうとしてるんだ!」

亘「何のこと?」

あれ?違う…みたいだな。

羅「違うみたいだね」

由「うん」

羅「どうする?」

由「学校に行かないといけないし…」

う〜ん

……

そうだ!

羅「由呑ちゃん、来て来て!」

由「えっ!どこに!?」

亘「ちょっ!どこに行くんだよー!」

まだついてくるか!

羅「早く!」

由「もう…駄目」

羅「しっかり!」

由「先に行ってて…」

羅「すぐそこだから!」

由「すぐそこって、お手洗いじゃん!」

羅「いいから!」

由「…わかった」

トコトコ

ガチャ

パタン

ふぅ

由「どうしてここに?」

羅「いいから、窓開けて!」

由「うん」

ガラッ

羅「【水龍】」

ウオォォォォォォォ

羅「乗って!」

由「え…うん」

羅「行って!」

水龍は、空高く舞い上がった。

由「気持ちいいね!」

羅「でしょ?」

由「この龍って、水で出来てるの?」

羅「そうだよ」

由「凄いね!」

羅「それより、なんとか逃げれたみたいだけど…」

何か…しんどい

羅「由呑ちゃん、私…変?」

由「え?羅々ちゃん、どうしたの?」

羅「何か、しんどいんだよね」

由「それって…」

ピト

私の額に由呑ちゃんの手がある。

由「羅々ちゃん…熱があるよ!」

へ?

羅「なわけないよ!元気だし!」

由「自分でしんどいって、言っておいて?」

うっ…

由「とにかく、家に帰るようにこの龍に言って!」

羅「由呑ちゃんでも、言う事聞くよ」

由「そうなんだ」

羅「うん」

由「じゃあ、羅々ちゃんの家に行って!」

グラ

由「キャッ!」

あっ!

由呑ちゃんが水龍から落ちた。

羅「由呑ちゃん!【火龍】!!」

ウオォォォォォォ

お願い!間に合って!

由「羅々ちゃーん!」

由呑ちゃん!

間に合ったんだ…

羅「間に合ってよかった」

由「この龍は?」

羅「火龍って、言うんだよ」

由「火龍?でも、暑くないよ?」

羅「特別な龍だからね」

由「へぇー」

クラッ

あ…そういえば、熱があるんだった。

由「羅々ちゃん?」

羅「クラクラする…」

由「えっ!大変!」

頭が痛い…

もう駄目だ…

バタン

由「羅々ちゃん!!!」

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