《MUMEI》 夜の街今は、19時の街中、人ごみが、川のように流れてくる。こんな景色、生まれて初めて見た。 「こんなに人がいるんだな〜」と俺は、惚けた顔をしながら、街の空を見る。 「動くなっ!」と後ろに、何かを突きつけられる。 「古原さん、何をやってんですか?」 「すごいなっ、よく私だと、わかったな」 「声と、匂いとあと、こんなことする知り合いは、君しか考えられない」 「鋭いなっ、流石は私の助手だな!」 「はいはい、俺はもう助手なんだなっ!」 「それよりも、助手なら私のことを、褒めてもいいんじゃないか」と彼女は、可愛らしく回って自分の姿を見せる。 「綺麗なんじゃないか?」 「なんで疑問系なんだ、酷いじゃないか、もっと何かあるだろう、その帽子、服をとても引き立たせているねとか、制服の時と、なんか印象違うねとか、気を利かせたまえよ」 「そんなことより、どうやって情報を集めるんだ?」 「君が今のこの状況に、答えを出さなきゃ教えないっ」と怒って頬を膨らませてしまった。 「わかったよ・・・・こんなに、輝いている女性は、見たことがないな」 「本当に?」と泣きそうな顔を俺に見せる。 「本当だよ、こんな嘘ついても仕方がないし」と言ったあとに、彼女は、俺に抱きつきこう言った。 「合格、君は今から正式に私のパートーナーだ」と俺を抱き終えたあと、俺に満面の笑みを、見せびらかした。 そのあと、俺の腕を抱き、俺をある場所に連れてった。 「BARー鳥の籠?」と、高校生が来てはいけないような場所に来てしまった。 「ここは、私のお爺様の、知り合いの孫が、経営してる場所なんだ。」 「まるで小説のような人間関係なんだな、なんだその経営者は、情報屋なのか?」 「いやそんなことはない、その人は、場所を提供してくれる人なんだ。彼女は、ただの提供者への道なんだよ。」そう言うと、彼女は、入っていく。 「待ってくれよっ!」と俺も彼女に引き続き、中に入る。 中の景色は、考えたものと違い、普通のカフェのようだった。 「いらっしゃいませ〜」と店員の一人が言う。どうやら店長とこの人が回してるらしい。 店の隅の方に、古原と、40代ほどの女性がいた。彼女たちは、とても真剣な顔で話している。入ったのが、同じぐらいなのに話の濃度がどうやら濃いらしい。その間に入れる訳でもなく、俺は近いカウンター席の方に座った。すると店長らしき人間が、話しかけてきた。 「あらあら、若い子が入ってきたわね、ダメよこんな店に子供が入ってきちゃ〜って言ってみたりね、姫の連れよね、何飲むって言っても、あまりレパートリー多くないんだけどね。」と亭主が言う。 「ではお茶をいただきます。」 「わかった。他に何かある?未成年に出すものは限られてるけどね。」 「いいえ、お気遣いありがとうございます。」 「そうなの?それならいいんだけど・・・自己紹介始めるね。私は、桐乃 彩(きりの あや)、姫とはお爺さんつながりの腐れ縁なんだ。」 「僕は、川原 刹です。古原さんとは、同じ学校の・・」と、話をつづける間に、突然「皆まで言わなくていいよ、大体のことは、姫から聞いてるよ、君は、姫にワールド級に気に入られてるね。」 「そんなに気に入られてるんですか?」 「そうだよ、とても気に入られてるからね。あら、来たみたいよ」と彼女が、指差した方に、封筒を、持った姫がこちらに不敵な笑みを浮かべて、こちらに来る。とても怖い 「いい情報が手に入ったよ、フッフッフッフ」と俺に鋭い瞳孔が突き刺さる。 「古原さんとても殺気立ち過ぎてるんですか、何でそんなに怒っているんですか・・・・」とヘビに睨まれたカエルのように、硬直しながら質問してみる。 「簡単だ、君が彩にデレてるのが、ムカつくんだ。何なんだ君は、私の助手が、私の友人と、私の時以上に、話が進んでるんだ。私が交渉してるのにも関わらず、楽しそうに話してるだなんて、ムカつくだろ。さっきの、話し合いで察してくれないのか、私が君に抱いてる感情が!!」 「逆に言うと、今日会っただけで好きに、なるのはありえないだろ。」 「そうなのか・・・・・」 「何か引っかかってるのか?」 前へ |次へ |
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