《MUMEI》 「……………それじゃあ少し待っててください」 「わかりました」 男性はスタスタと事務室の奥に戻った。私は少し暇になり、辺りを二、三回見渡してから胸元より短めの髪の毛先をいじり、痛んでるなと感じた。すると、 ピンポー…ン、と校内放送が流れた 『三年E組 斎籐黒乃くん、三年E組 斎籐黒乃くん、来訪者がお待ちです。至急第二会議室に来てください。繰り返します……』 放送は声質の良い女性だった。 ああ、あの人がお願いしてくれたのかと一人納得。そしてまた男性は小窓の方へ戻ってきた。 「とりあえず放送はしときましたので、第二会議室に向かってください。場所は、この通路を真っ直ぐに行き、左側の階段を上がったとこの左通路から二番目の部屋です。まぁ、部屋に第二と書いてあるのでわかるかと思います。……あと、」 男性は赤いヒモの通ってある手のひらさいずの長方形ビニール生地を渡してきた。私は疑問符を浮かばせながら手に取る…。 「外部の人は皆コレを首にかけるのが規則ですから。あとこの書類に名前を、」 「あ、ハイ。わかりました」 簡単に許可されたけれど、やっぱり昔より厳しくなったなとゆうことが身にしみた。 ボールペンで書かれた書類を簡単に確認してから「はい、」と、一言呟いて許しが出た。 「どうも有難うございました。失礼します」 「はい、」 軽く会釈した。が、男性はあまり反応が薄い感じで目線をずらし小窓を閉めた。 前へ |次へ |
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