《MUMEI》

「いやー、許してー!!」
「へへ。おとなしくしやがれ」
スキンヘッドが暴れる女の両手首を掴み頭上へ持ち上げると、そのまま地上へ押したおしていく。
Gパンに包まれた形の良い尻をひっぱたき、女に悲鳴を上げさせる。
その光景を固唾を飲んで見守る、鬼とも 人ともつかない無法者達は、あまりに
そちらへ精神を集中していた為に、彼らのすぐ横を足を引きずりながら通りすぎて行く、フード付きのマントを羽織った男にも気付かなかった。
それは男のほうも同様で、横の騒ぎなど 目の隅にも入っていないかのように、
膨れあがった紫色の唇から、
「水・・・・水・・・・」
と、呪文でも唱えるように呟き続けている。

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