《MUMEI》

 






やっと会える、やっと知れる。






斎籐黒乃とゆう存在に――――――














好奇心、探求心、記者特有の調べたいとゆう欲求は上がる一方で、その反面不安もあった。

私が来る前、5人の人間がここに足を運び、そして不発に終わった事実。なにより柳場さんが言っていた”病院送りになる”とはどうゆうことなのだろう…。


まさか手もつけられない頭のトンだ暴力人間なのか、はたまた科学じゃ解明出来ない超能力者で念動力を使い人間を二階から飛び落としたりするんだろうか………いや、それは考えすぎか。

とにかく、解りやすく曖昧な忠告に私はモヤモヤとした気持ちが絡まって引きずられた。















階段をのぼり左側、焦げ茶色の木製のドアが言われた通りふたつ。二番目の方に向かい足を止めた。ドアには第二会議室と書いてあった…






―――――――――――ここだ。












無性に口の中が渇いた。緊張しているのだろうか、たかが高校生に……。いやいや落ち着け。私はこれでも色んなとこに調査をしに行った経験もある。なかなか人気のある芸能人にだって取材したんだし。………まぁ、柳場さんと二人でだが。




と、とにかく大丈夫!こっちのペースに持っていけば勝ち。なんとかなる、私の人生もなんだかんだいってなんとかなったし、…………うん。
















渇いた口を引き締め、もう中に居るのだろうかと思いながらドアを控えめに二回ノックした。









――――――――コンコン、










数秒間が開いてから「どうぞ、」と、低いそれでいて澄んだ声が扉越しに耳に入ってきた。



なぜだろう、未だ見えない相手なのに顔が端正であるような気が……いや、確信がした。

私は「し、失礼します。」と、出だしをつまづかせながらノブを回した。














――――――ギイ、ィ…






意外と古びた音を出すドア。


その隙間からひょっこり顔を出す園原、そして初めて目にする第二会議室の部屋。第一印象は……






―――――――――汚なッッ!














 

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