《MUMEI》

 










「私、街中でアンケートをとっていたんです。簡単な、何処にでもあるような、すると面白いデータがとれまして…」

「はい」















二人は黒いソファーに向かい合わせで座っている。その間には物が散らばって置かれた机、













「面白い人は誰かと聞くと必ず皆同じ回答が返ってくるんです」

「それが僕だと?」

「はい。でも面白いって言っても笑える面白さじゃなくて、もっと意味の違う一般的に変わった人、とゆう面白さらしんです」

「僕が奇人変人だと?失礼ですね」

「いや、あの……すみません。でも一種の都市伝説ですよ?あんなにも噂ばかりが漂うなんて……貴方は一体何者なんですか?」

「…………何者?」









彼は一瞬表情を曇らせた。










「いろんな奴等がやって来てそう言います。でも僕はただの高校生です。ちょっと変わってることはまぁ、認めます。けど噂は次第に肥大化しますからね。ほら、言うじゃないですか寝も歯もない噂って……それと同じですよ」

「………………………………」









本当に、本当にそれだけなのだろうか……

彼は淡々と上手いようにはぐらかしているようだ。
















「不満ですか?どうゆう設定なら満足でした?すみませんが僕は中2病じゃないんで自分で特別だとか言えませんよ。期待を破ってしまったみたいですが」

「なら、何故あんなにも人伝でこんなにも貴方の名前は広まったんでしょう……」

「さぁ?噂は広がるのが原理ですから」

「安い噂は広がりませんよ。私の仕事ナメないでくれるかしら」

「あぁ怖い、女って気が短いですよね。だから嫌いなんです」











初めて表情が変わる斎籐黒乃、面倒くささと嘲笑気味が入り交じった独特な表情、彼は言葉を捨てるように口にしながら両手を顔の近くまで上げる。


私はそれでも怯まない


















「貴方に関わった人は病院送りになると聞きました。それは本当ですか?」

「……………………………」











斎籐黒乃の表情が固まった

そして上げていた手を下げ、体勢を直しとても冷たい眼孔が園原を見据える。



一瞬、息をするのを忘れてしまった

それほどまでに空気ははりつめたのだ…














「そう、そこまで知ってたんですか。流石知りたがりの職に就いてるだけはあります」











 

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