《MUMEI》

『お見苦しいところをお見せしてしまいました。先輩が俺のことを軽蔑しなくて本当に嬉しいです。』

変な文章になっていないか不安だが、正解がわからないので勢いに任せ送信する。

__________

嫌いになる訳無いよ。
俺のこと独り占めにしたかったんだと思うとますますメガネ君が好きになったよ。

__________


「うわあっ!」

思わず携帯電話を落としてしまった。


「どうした!いじめられたか!」

兄ちゃんに拾われてしまう前に手の中に しまい込んだ。

「うっ……」

泣きそう、先輩が俺を好き?本当かな。冗談じゃなくて?
ぐるぐる、頭で考えてはあぶくに消えた。


『ありがとうございます。
おやすみなさい。明日また駅で会いましょう』

結局、俺は何もわからないまま一時間考えてこれを打ち込んだ。
好き……いや、でも先輩って昔から色んな方に好かれていたし皆に優しかった。きっとこれも気のせいかも。
全て勘違いで、兄ちゃんと同じ好きかもしれない……怖くて確認が取れなかった、俺の意気地無し。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫