《MUMEI》







「え?」


「だから、うえちゃんの妹が中沢に振られてたんだよ」



その日の夜春馬が俺んちに来て、大変な事を教えてくれた。




族仲間の上木の妹が中沢に告り付き合った時期があるらしい。





春馬が情報を掴んできてくれた。中沢と上木が同じ中学だったから話を聞いてたら、実は妹が付き合っていたと言われたらしい。




「…茶髪だけで」


「ああ、染めた途端別れようって言われたんだと」



妹が中沢のために良かれと思って染めたのに、中沢は瞬間で振ったらしい。





「意外に…つか、やっぱり固い奴みたいだな」



俺はそっと自分の髪に触れた。





染めすぎてごわついた真っ白の髪…。






茶髪だけで振る、中沢…。




「まーでも中学時代の話だし、その髪だって付き合うって言ったんだし今は関係ないかもだけどさ」

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