《MUMEI》
しきたり&宿命
「そうとわかればっ、きちんと説明させていただきます!」






「まずは当家のしきたりから!!」






バッと振袖の中からまきものを出す。








「はっ!?しきたり!?今時!? つーかまきもの!?」








「設楽家慣習、第百七十六条『婚姻』」






「『設楽家に生まれし嫡出子は、十八歳の誕生日に






同年同日同時刻に生まれし異性と婚姻すべし』!!」








「『尚、婚姻の一週間前迄当人同士は出逢うべからず』」







まきものをまた振袖にしまう。







「私の場合、あなたと同じ1989年9月9日15時42分に生まれました。従って」






少し間をおき、にっこりと笑う。





「私たちは結婚する宿命なのです」

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