《MUMEI》 夜の街 結果俺らは、あのあと店を後にし、あの人相の悪い男のところに向かった。というのは誤りで本当のところは、連れられたと言ったほうが正しいと思う。 着いたところには、多くのいかにも仁義等の単語が当てはまってしまう人々が潜伏していそうな場所に着いた。正しく言えば廃墟のビル。 「君、私は君を飾り物ではなく助手として連れてきたのだから仕事をしてくれ」とほおけている俺に対し彼女は鋭い眼光を向けた。 「すまない、少し考え事をしてた。」 「君はどうせ、先ほどの資料にあった少年が何故リストアップされていたのか、気になっていたんだろう。」 「なんで、今回捕まったんだろう。もし仲間が彼を売るために今回の事をしたのだとしたら、彼が口を割る確率を考慮していないわけがないのに、なんでだろう?」 「この事件が中盤に差し掛かったら教えてあっげっる。」と彼女は可愛らしく告げる。 このような小芝居が、終わると俺たちはビルの中に入っていった。この中には、怪しげなオブジェと、一人の男が笑いながら右手の斧を肩にかけ、左手の袋の口を、口元に当てながら呼吸する。 「がェガッガッガッが、でべえらだぢじにぎだぶぢごろすぞ」と人相の悪い男が言う。どうやらあの袋の中は麻薬のサラスコスモスらしい。 「ちゃんと話してくれないか、聞いているこちらが非常に不愉快だっ!」と彼女は、落ち着いた顔で言う。なんで落ち着いていられるのか今の俺にはわからない。 「だばいぎな、じょうじゃんだ。まづおばえがらばがばがにしてぎゃろう!」と男は、古原の方に奇声をあげながら、走ってくる。彼女はというと、腕組をしながら微笑んでいる。普通のものならとっくに逃げていてもおかしくないのに、彼女は逃げない、何故だろう?俺が助けるとでも思っているのか、こいつは?っと俺は考える前に、男の前で拳の引き金をひいていた。すると男は後方10メートルほどのところまで飛ばされていた。 「ぐげがーーーーー」と男はまた別の奇声を発し倒れた。 「やはりすごいな君は、私が見越していた以上だ。」と彼女は笑う。 「俺のこと調べたのか?」 「そりゃパートナーを調べなければ、信頼ができないじゃないか?川原の十代目っ!」と彼女は背中を叩く、俺のことを話すにはこのページに、収めるにはあまりにも、おかしい話なので、次のページに移ろう。 前へ |次へ |
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