《MUMEI》
恋愛
娑亜紗はうつむいて言った。





「あなたと結婚して、幸せになるって……」





それを聞いていた来駕が





「……あんたさ、恋とかしたことあんの?」




とアルバムを娑亜紗に返しながら娑亜紗に聞いた。





「結婚相手がいるのにあるワケないでしょ、……ってまさかあなたあるの!?」






「付き合ったことくらいはあるけど、マジ恋愛はない」





「何ソレッ!」





「女って表面しか見てない奴ばっか。話したこともなくて何がわかんのって感じ」






「……」






まぁ、このキレイな顔のせいで苦労したのねー






娑亜紗は来駕のことをじーと見つめた。







「つーかあんたもだろ!! 何フーンて顔してんだ。考えスケてんだよ!!」






「えっ」





「しかも結婚て!!」





「けどそれって順番違くね? ちゃんと恋愛した相手と結婚するから幸せになれるんじゃないの?」







「………」








ちゃんと恋愛してから……?





「ま、俺は恋愛なんてする気ないし、あんたも俺が理想と違うってわかったし」






来駕は立ち上がって娑亜紗に背を向けて歩き出した。







「お互いそんな日遠いかもな」






考えたこともなかった。




私が誰かと恋愛する……

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