《MUMEI》
クリームパン
私のこの恋はひとつのクリームパンから始まった……







「あっ」



二人の男子生徒と女子生徒が目を合わせる。




すると一人の女子生徒が



「ちょっと何よアンタ!はやくこのクリームパンはなしなさいよっ!」






と男子生徒を睨みつける。




男子生徒も負けじと




「はぁ? どこの誰だか知らねぇが、このクリームパンは俺のだっ!」





と強く言い返す。





「はぁ?何言ってんの?このクリームパンは私のだからっ!」





「いんやっ!俺のだっ!!」




「あんた男だったらこんぐらい女の子がほしいつってんだからこの手、はなしなさいよっ!」




「あぁん!?どこに女なんかいんだよ!?」




二人は言い合ってクリームパンをぐっと引っ張った。





と、その瞬間、ぐにゅっという音とともに




一つのクリームパンが二人の生徒によって無残なことになった。




パンの生地からはクリームがはみ出していて




透明の袋の中でぐちゃぐちゃになっていた。




      私の
「ああっ!!!   クリームパンがっ!!」    
      俺の



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