《MUMEI》 転校生とパンツこの日、季節外れの転校生が来ると連絡され、クラス中その話で持ちきりだった。 担任の立花先生が、待ちわびた転校生と共に入ってきた。 「櫻井さん、自己紹介を」 「はい」 櫻井と呼ばれた女は、黒板に『櫻井望』と書く。 「櫻井望です。父の仕事の都合上、こちらに引っ越して来ました。よろしくお願いします」 淡々と述べる彼女は、長い黒髪を高くポニーテールで結い、長身で、凛々しく、日本刀が似合いそうな美人だが、残念なことに、て主張しようとしているが、貧乳だとしか言いようがない。 指示された席に着く。そこは、リズの前の席だった。 美人に囲まれる俺……ふぅ、絵になるぜ! 何てバカなことを考えながら前を向く。 「キャア」 意外なほどに女らしい悲鳴を上げる櫻井……のパンツ、が、目、の、ま、え、に……!? 瞬間、俺の頬に凄まじい痛みが走る。平手打ちの残像が消え、ボボボッと赤面する櫻井が見えた。どうやら自身の席の前で足首をひね、こけ、今に至るらしい。……どうゆうドヂッ子展開なんだよ……。 「ニヤケるな、キモい……謝れ!」 顔は、正直らしい。ので、素直に謝ろうとした、が横やりが入ってきた。 「何で柳瀬が謝らないけんわけ? 勝手に転んで、勝手に見せたのは自分じゃない。」 横やり…リズの言葉に口角をヒクヒクさせながら赤面涙目でリズを睨む櫻井。 「はぁ!? あんたに関係ないだろ? 黙ってろ」 火花を散らし出す二人。当然、喧嘩なんてしてほしくない俺は、間に入る。 「2人とも! 俺のために喧嘩をするのはよしてくれ!」 「「うるっさい! 黙ってて!」」 「ごめんなさい」 そして退散ーー。 そんな美少女の睨みあいを遠目に、一つ、溜息をついたーー。 前へ |次へ |
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