《MUMEI》
嘘と決意
「ぐっ…ここは…!?」
「おまえの中だ」
「アグニか…」
「こんなタイミングで呼ぶなんて何なんだ?」
「 …すまないが
おまえの性行為に構っていられるようなレベルの事じゃない」
「えぇ…どんなレベル?」
「あり得ないほど高濃度の神力の塊が近づいてきている」
「それは、能力者って事か?」
「そうだ」
「アグニの方で関知出来るなら
今までも教えてくれれば良かったのに…」
「今までの奴らはな
お前らが目で見たときぐらいにやっと関知出来たが
今回のは桁が違うんだよ!」
「いつから気がついていたんだ?」
「お前が寝てる間に突然反応が現れたんだ
今は隣町に潜伏している」
「そうか…近いな
まぁ何とかなるさ!」
「何とかなるだと?
ならなかったらお前は死ぬんだぞ!?」
「死ぬ?記憶がなくなるんじゃないのか!?」
「しまっ…
すまない…お前が戦えなくなるのを恐れて嘘を言ってしまった…」
「戦えなくなる?」
「相手の命を奪う事を恐れ
そして、その恐れが自らを破滅させる」
「…俺は大丈夫だ
俺には守るべき人がいる
だから、生きなくちゃならないんだよ」
「そうか、しかしくれぐれも気を付けろよ?」
「あぁ、解っているさ…アグニ」

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