《MUMEI》 雪が溶ける頃に……桜「んっ!……んぅ」 ?「起きたー?」 此処はどこだ? 崖の下でもなく天国でもなく病院でもなく、ましてや元居た場所でもない…… 桜「此処はどこですか?」 ?「島原だけど」 !? 島原だと!? ってことは……江戸時代の京! まさかタイムスリップとやらを僕がするとはね。 というかこの状況をなぜか理解できる自分が怖い…… 桜「今はいつですか?」 ?「文久三年如月の月の二十八日目だけど」 文久三年…… 1863年ってことになるな ……金が貯まるまで此処で荒稼ぎするか…… 桜「此処で働かせてください」 ?「はぁ?何言うてんかあんた自分で解ってんの!?此処は男共に自分の純潔捧げる処やで!」 桜「純潔など……、自分など遠の昔に捨てました!」 ?「そこまで言う女子なんて今時珍しいで……でも気に入ったよその根性。分かった、あちしが女将さんに話付けてくる」 桜「!ありがとうございます……えっと」 雛「雛だ。お雛って呼んでくれ」 桜「はい。僕は桜、雪琶羅 桜言います」 雛「ならよろしく!桜」 桜「はい!お雛姉さん」 この冬の最後の日 物語はまだ始まったばかり…… 前へ |次へ |
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