《MUMEI》
channelメガネくん3
初めて見た同じ性別同士のいかがわしいDVDは兄ちゃんと観た女の人の映像みたいに、凄い声で背中を反っていた。
同じ性別でまぐわうことが出来たことにもびっくりしたし、何より俺も具体的に好きというものがわからなくて、今まの先輩への好きな気持ちに疑問を持ち始めていたところだった。
それが途端に、目の前に光明が差した。
俺も先輩を好きでいていいんだと思えた。

しかし、未知の世界は厳しい……こんな……、俺は恥ずかしげも無く肌を晒せない。
先輩に嫌われないように、練習しないと……

「あっ、でもでも!先輩がしたくなかったらどうしよう!聞かなきゃ……!」

先輩の電話番号はリダイヤルで履歴が残っている!

「すげー、告白する気になったんだ。」

「え?告白……?」

「だって、先輩に自分とセックスしたいかって聞くんだよね?女なら子作りしませんかってことでしょ。」

坂巻の言葉で我に返った、俺は変態だったのか……告白もまだ出来てないのに身体から付き合おうなんて、おこがましいにも程がある!
慌てて電話を切る、先輩が出る前に気付いてよかった。危うく変質者だ。

「そうだ。先輩の周りには可愛い女の子がいっぱいいるんだから、俺がどんなに頑張っても敵わない。」

「誘惑すれば?」

……その手があったか。

「誘惑ってどうするの?俺、わからないよ。」

「エート、ちらっと見せたり……。」

「こう?」

布団に包まり、隙間から坂巻を覗いては隠れた。

「いや……ちょっと違……まあいいか……。」

どうやら、合格点を貰えたらしい。

「先輩ドキドキしてくれるかな?」

「自分がしてもらいたいこととかするんじゃない?恋愛映画とかは観ないの?」

「……先輩と居るといつもドキドキするからわからない、それに恋愛映画って恥ずかしくなるから観たことないよ。」

そういうものは、心臓に悪いから観ない。兄ちゃんにも刺激が強いから禁止された。

「でもエロいのは観てるんじゃん。」

「そんなに観てないよ!それに勉強だって……」

エッチな映像は将来的に役に立つから恥ずかしくても慣れないといけないって教えられた、やっぱり慣れないからあまり意味はなかったけれど。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫