《MUMEI》

「こんな……!先輩を殴ったらどうしよう……」

「いや、先輩のことばっかかよ。」

勿論、坂巻の心配もしていたんだけれど先に先輩のことを考えていて申し訳ない。


「俺……今日は大丈夫だから。」

「じゃあ、これ餞別。また次が俺だとタンコブじゃ済まなそうだし無理なんでしょう?
俺も気付いたことがあるからいいよ、相談くらいならいつでものるよ。」

坂巻は平気そうにいろいろ渡してくれたが、見送りがフラフラしていた……。
あんな獰猛になって、意外とあっさり帰してくれたり、不思議なやつだ。

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