《MUMEI》

先輩の電話に楽しそうな女性の声が入っていた事を、坂巻に伝える。


「やっぱり沖縄温かいし彼女作りたくなったんじゃない?」

深夜の電話のせいか坂巻の返事が雑だ。
しかしこれで、先輩が俺に目もくれていないことがわかった。先輩にどうにかして振り向いてもらう為には、誘惑するしかないのだろう。

「俺……、どんな顔して先輩に会えばいいのか。でもまず呼び出されたら空港までお迎えに行く自信がある。」

「犬か……。わかった、俺から先輩に口添えして距離を置くように言っといてあげるから。ふふ、」

最後に何故か坂巻は笑っていたけど、気のせいだろうか?
しかし坂巻は嘘つきだ、電話もメールもめちゃくちゃ来た。それに出て今の関係が壊れてしまうのが怖くて電源を切る。

せめて先輩が帰ってくるまでは、考えないようにしよう。

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