《MUMEI》 翌日、久方振りに熟睡できた、と 乾は清々しい表情で起き上がり背伸びを一つ すぐ傍らで猫の姿のまま身を丸く眠る五月雨を横に乾は床を出た 毎日の日課としている、境内の掃き掃除 今日も欠かさずソレを行うため外へ 「……」 掃除も最中、また手に感じた微かな重み また来たのか、と自身から伸びていく糸を視線で追い その先を、見た 「……辻で、待っている。標糸」 ぼんやりと其処にあった存在 それだけを伝えるとフッとその姿は消える 待っていると言っていた 一体誰が、何が まるでその事の葉に導かれるかの様に 乾は一人、辻へとm買っていったのだった…… 前へ |次へ |
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