《MUMEI》

かえでを恋愛対象の好きとして見たことなんてあるだろうか。

かえでは友達で、俺と乙矢と七生と四人でつるんでいた。



本当に家族だったんだ。

離れるときは二人で大泣きして次の日、目が腫れた。






『かえで、俺も行く』


『二郎は家族じゃないからだめだよ』


『どうすれば家族になれるの?』


かえでがいなくなってから、自分の無力さに失望した。

甘えだったかな。かえでは俺の考えを言ってくれてたから、なんでも出来ると錯覚していた。
言いたいことが言えないとか歯痒い気持ちを知ったのもあの時だろう。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫