《MUMEI》 本当の気持ち「! ねずみ?」 来駕が娑亜紗の横を通ったねずみに気がついた。 「え?」 「今、どこから出てきた!?」 「え? え!?」 ねずみが行った方向を見ると 薄汚い扉が少し開いていた。 抜け道なんてなければいい。 どこかでそう思ってた。 だって見つけてしまったら私達―――― 「これって……」 「抜け道……!?」 抜け道を見つけてしまった。 扉の中は狭いしコケなどがすごかったけど、中にはちゃんと電気などが置いてあった。 「き、きっとここを抜ければ外に出れるわ! 位置的にも道路に近いし」 娑亜紗が慌てて言った。 「やったわねっ、あなたが外に出れば私達……」 ここで娑亜紗が口をつぐんだ。 来駕が外に出れば私達結婚しなくてもよくなって そしてもう二度と―――…… 前へ |次へ |
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