《MUMEI》
調査3
最後に3年生の
樋山 優華(ヒヤマ ユウカ)さん。

質:「恋」してますか?
答:・・・微妙、ですね。
質:微妙・・・ですか?
答:はい・・・フラれちゃって・・・。
質:そうですか・・・。
  じゃぁ、ちょっと聞いてもいいですか?
答:はい。
質:失恋した後ってどんな気持ちなんですか?
答:心に、ぽっかり穴が開いた感じです。
  彼と一緒にいるのが、私の日常でした。
  彼を失うと思ってなかったから、余計に
  心に負担がかかっちゃって・・・。
質:辛い、という言葉では表せないほどということですか。
答:・・・はい。
質:ありがとうござ・・・

「ユウ!
 ごめん、俺・・・もう好きじゃないって言ったけど、嘘だった。
 本当は、大好きだし、離したくなかった。
 でも、受験のために彼女は離そうって思った。
 そう思ったけど、でも・・・やっぱり、好きだった。
 頭から離れなかった、優華の顔が。
 からかったら、ちょっと赤くなるところとか、待ち合わせに遅れたら
 怒ったりするところとか・・・満面の笑みも。
 だから、もう1回、やり直そう?」

「カズくん・・・あたしもだよ。
 あたしも謝るとこいっぱいあった。
 短気ですぐ怒るし、カズくんが耳ふさぎたくなるくらい、お説教するよ?
 そんなのでも、いいの?」

「そんなの、じゃなくてそれがいいんだろ」

「ぅん・・・ありがと」

えーこれで、調査は終了いたしました。
上の会話をご覧になったでしょうか。
すごく繊細で、今にも崩れそうな、でも素晴らしい「愛」の結晶ができました。
これを「愛」というのでしょう。
そして同時に、「恋」が実りました。
結果へとつなぎたいと思います。

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