《MUMEI》

「はぁ…。」

僕は、深いため息をつくと、保健室に足を運んだ。

「失礼します。」

「あら、悠太君、どうしたの?」

「直輝にやられました。」

「この頃直輝君にやられたって人が多いのよね…。さあ手当でもしましょうか。」

やはりか、この頃直輝がやたら調子に乗ってると思ったら…。
皆をやってたのか。

自分なんて、女子に背中たたかれたら泣くくせによ。
よわっちい奴だな。

…そんなことを考えてるうちに、手当は終わった。

「悠太君、お大事にね?」

「はい、ありがとうございます。」

失礼しました、とお決まりの言葉を言って保健室を出た。

あぁ、早く直輝が消えたらいいのにな。
僕が消すから。僕がこの学校をまもるから。

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