《MUMEI》

「……来駕」




「私、パカパカする携帯も、男の人と街歩いたり写真撮ったりするのも





こんなに嬉しくて楽しいのもはじめて」






娑亜紗は携帯をぎゅっと持って、とっても嬉しそうな顔で言った。










この人の隣に私がいる。





そう思うだけで




胸のずっと奥のほうが





ぎゅってなる―――……










ドォン





「あっ、花火始まったわ!!」




そう言って、娑亜紗が顔を上げると





すぐそこにあった来駕のおでことおでこをうってしまった。






はたっと来駕と目が合う。





「……!! !?」




来駕が顔を耳まで赤くしてばっと娑亜紗から離れた。





自分でも何をしようとしたのかわからないかのように。

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