《MUMEI》
channelメガネくん4
名前で呼ぶなんてまるで恋人同士じゃないか……。

先輩が唇を重ねる度に脳みそが蕩けてゆく、むず痒さとはまたちょっと違う、一番敏感なところがぎゅっと切なくなる。
これがムラムラするということか……、汗ばんだ手の平を拭き取りたくて、枕に飛び込んだ。

「……続き・しないの?」

前髪を後ろに掻き上げる先輩が、俺の先輩の容量をオーバーする、凛々しい仕種だ。
まさかこれが、誘惑……?こんなカッコイイの出来ないよ。

「ねえ?」

先輩が間近に現れると、体中に血が廻った。
喉仏が動くのがよく見える。吐息がかかるとまた、皮膚の下で疼いた。

「先輩は、俺でムラムラしますか……いつも大人の余裕で……俺ばっかり先輩に夢中なんじゃ……」

枕で顔を覆うことで、先輩を遮って正直な言葉が出て来る。




「俺が大人の余裕だって?」

先輩が枕を奪い取って床に放り投げた、仰向けに先輩の下敷きの体勢になる。ぎゅう……と、お腹に硬くて熱いものが押し付けられた。

「お母様に気付かれちゃうから、静かに……ね?」

接吻されたまま腰から下に指が落ちてゆく。
そうだ、母さんの目を盗んで先輩とイチャイチャなんて背徳的だ。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫