《MUMEI》
表と裏
−−山本はまず世間話などをして心を開いてもらおうとなど思っているのだろうか?
いや、それは………………

そのようなやり方はあまりにデメリットが大きすぎる。

本当に大事な部分を笑ってはぐらかされるのがオチだ。


仕事に対しては山本に絶対の信頼をしてきた。話し方、目線、間の取り方など、全てにおいて抜群のセンスを持っている。

そしてそれは高く評価されてきたじゃないか。この大事な場面で今までのやり方を変えるなんて………


「あれ、そうでしたか。はは、そうですね。でもこれは凄い発明だと思います。新しい物が出来るなんて、近年じゃ珍しい事ですからね。ちなみにうちの相方の三倉は機械オタクなんですよ。なぁ?」


−−ここで私が取る行動は………















山本に合わせるべきだ。
感覚的に脳がそう伝える。

山本が゛裏゛である以上私も゛裏゛でいよう。

それが一番この場にそぐっている気がする。

「相方ってなんですか、漫才師じゃあるまいし。オタクっていう言い方も好きじゃないですよ。こんなカワイイ、パートナーに酷いです。ただの趣味ですよ」

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