《MUMEI》
誕生日の日
来駕――――……







9月9日







「………」





娑亜紗は起き上がって呆然とした。






「あ……、朝!? どーしましょう朝だわっ、9日だわ―――っっ」






娑亜紗がわたわたしていると




「おはよう」と声をかけられて




はっとふり返った。





「父様、母様……!!」





「……娑亜紗」




母が口を開いた。





「お誕生日おめでとう―――――!!!」




ぱんぱかぱ――――ん




「さ―――――、結婚よ結婚―――――!!!」





娑亜紗は母に腕を引っぱられた。





「あ……、ありがとう、だけど私もう結婚は……」





結婚はしないと言いかけたが母にさえぎられてしまった。






「なーに言ってるの、さあさあホラホラ準備するわよ―――――っっ」






母はうきうきワクワクしている。





「体を清めてっ、菫(世話係の名前)お願いねっ」




「あ……、あの」





娑亜紗が何か言おうとしても母は聞く耳ももたない。





「衣装あわせしてっ」




「母様……」




「髪結いして、お化粧してっ、ああでもその前にっ」




「話を……」




「ダンナを選ばなきゃね―――――!!」





母がふすまを開けると




同じ日に誕生日の男の人がズラ―――と並んでいた。






「誰―――――!!?」

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