《MUMEI》
○○までの3年間
「思い出してくれないかと思った」

「覚えてるよ、でも、まさかここにいるとは思わなかったから…」

あれから2年。

タイムリミットまで、1年。

「生きてたんだ、夢人」

「そっちこそ、命」

懐かしい、この言い合い。

「「っふはは」」

そしてその後、笑い合うんだ。

「なぁ、今さぁ、帆詩ちゃんっていただろ?

 その子からさぁ、命のこと聞いた。」

「…うん」

「帆詩ちゃん、心配してたけど。

 俺が、病院仲間だって言ったら」

「大丈夫だよ、帆詩ちゃんには病気のこと、言ってないから」

「まぁ、そうだろうな。

 病院仲間ってどういうこと!?ってすごい形相で訊いてきたし」

「それで、どう言ったの?」

「この前、病院で会って、“仲間”になったんだって」

「っふ、それでよくはぐらかせたね」

「ほかに思いつかねぇだろ」

「まぁ、いいけど」

余命宣告から2年。

この間、あたしの体に症状はない。

なぜなら、あたしがなっちゃった病気。

死ぬまでの3年間、症状でないんだって。

変なの。

症状でなかったから、先生に言ってみたら

『ついに、この時が来ましたか』

って言ってたし。

ていうか、あたしって夢人の前だと、キャラ変わるよね。

帆詩ちゃんの前だと、天然ドジキャラなのに。

笑っちゃう。

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