《MUMEI》 告白来駕の携帯に娑亜紗から電話がかかってきた。 ピッとボタンを押して電話に出る。 「おま……っ、今何して、ってゆーかお前んちどこ」 と困ったように来駕は聞いた。 『あなたの言った通りだったわ』 電話のむこうから娑亜紗の声が聞こえた。 『私、結婚すれば幸せになれると思ってた。だから今日が待ち遠しかった。 でも、やっぱり違うの。今日、私は全然嬉しくないし、悲しいし辛い』 電話のむこうから聞こえてくる声は悲しそうで、けど、はっきりとした声だ。 娑亜紗は一度言葉を切って、間を置いた。 『……気づいたからよ』 『あなたの隣にいるのが私、一番幸せって気づいたからよ』 来駕は一瞬目を大きくしたけど 嬉しそうにまた細めた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |