《MUMEI》
告白
来駕の携帯に娑亜紗から電話がかかってきた。




ピッとボタンを押して電話に出る。




「おま……っ、今何して、ってゆーかお前んちどこ」




と困ったように来駕は聞いた。




『あなたの言った通りだったわ』



電話のむこうから娑亜紗の声が聞こえた。



『私、結婚すれば幸せになれると思ってた。だから今日が待ち遠しかった。



でも、やっぱり違うの。今日、私は全然嬉しくないし、悲しいし辛い』




電話のむこうから聞こえてくる声は悲しそうで、けど、はっきりとした声だ。




娑亜紗は一度言葉を切って、間を置いた。




『……気づいたからよ』





『あなたの隣にいるのが私、一番幸せって気づいたからよ』




来駕は一瞬目を大きくしたけど



嬉しそうにまた細めた。

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