《MUMEI》 一途に想う目につくものは遊び尽くして、かえでも麻美に会いたがっていたし、俺の家にでも行こうかという話になった。 「……泊まろうかな」 かえではさらっと言うから怖いよ! 「何言ってるの!」 明日は普通に学校だろ! 「いーじゃん別にー」 七生は黙っていろ! 「私帰りたくないの。」 なんだか、必死だ。 「お熱いすねー」 七生が言ってるようなものじゃないだろう。 だって、好意を持っているなら“離れたくない”筈だから。 息をゆっくり吐いた。かえでの頭を撫でる。 「かえで、超乙女していたんだね。 俺に会いに来た訳じゃ無いのは分かっていたけど、言うことあるでしょ?」 俺は恋には疎いのに、何故だか恋に悩む乙女には敏感らしい。 長年七生に悩みを一方的に相談されていたからなのだろうか。 前へ |次へ |
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