《MUMEI》
娘の失恋
彼氏と上手くいってないのは、聞いてた

もう、無理かなって言ってたし

だけど、

大泣きしてた

悔しいよって

その時は、ただ、抱きしめただけで
何も聞かなかったんだ

後日、母親から、少し理由を聞いた

でも

自分で話なさい

三人揃ったリビングで、母親が、そう言ったんだ

相手の両親に反対されたそうなんだ

父親が犯罪者
コンビニ経営の、父の弟に生活を見てもらってる
家柄が違う、相応しくない

聞いてて、腹ただしかったけど
怒ることじゃない、彼方には、彼方の考えもあるし、結局は当人同士の事だし

そこまでは、いーの
あいつ、最低だよ、私が処女じゃないってわかってからだよ!
親がどうとか言い出して!
それに

話し出して、黙った娘だったけど

また、涙を見せながら

ムリヤリ生でやって、出された
生理来ないの!

何となく、想像してたことだったから、驚かなかったけど
問題は、それだけじゃなかった

写メ、撮られたって

出回ってるって

顔は写ってないけど、メールとかで、学校の友達なんかにも

顔付き、出されたくなかったら。もた、やらせろ

有りがちだな

力、貸してもらえないの?

黙ってた俺に、母親が聞いたんだ

ムリよ、私、お兄ちゃんから離れて、他の男とエッチまでしたんだもん

娘が、そう、言って泣いてた

卒業させたいわ、苦労して入った学校なのよ

母親の言葉に

そんな問題じゃないよ!
お母さんは、わかんないんだよ

娘が、泣き叫んだんだ

わかってないのは自分だよ
お母さんは、先の事を考えてるんだ
気持ちを置き去りにしてるわけじゃない
悔しさは、みんなわかってる
力を貸すとかの前に、自分がどうしたいかがなきゃ

戦うのか?
泣き寝入りするのか、覚悟も必用だよ

戦うなら、何のために戦うかを、しっかり見据えなきゃ、何をしても、同じだ

その、答えを、俺は待つよ、それからだ
何かするも、しないもね

そう、話を終えたんだ

そして、仕事をしながら、娘の彼氏の事を調べた

一流企業の息子
かなりの地主家系

確かに、住む世界が違うかもな

塾が、同じで、学校は違う、
それなりに、頭の良い学校だな

ヒョロットした、男だなぁ
あんなんが、良かったんか

嫉妬かな

複雑な、気分だなぁ

…………

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫