《MUMEI》

ゲーセンの駐車場で温かい珈琲を三つ購入。出費がかさむ。
自販機の横に三人で整列する。




簡単にかえでの話を説明すると、喧嘩別れした彼氏を追って来たらしい。



俺に会いに来たのは見せ付けてやるつもりだったそうだ。見事に使われている。

「ここに居るの?」
七生が飲み切った缶を振る。


「そーだよ、期待してたの。仕事放っぽりだして私のところに詰めよってくるんじゃないかって。
そんな訳無いのにね。」
潰されそうに笑うかえでを見ていると苦しかった。


「誰、呼びに行くけど」
かえでに悲しい顔して欲しくない。


「いいよ、止めてよ」


「妬いてるかもよ、本当は」
かえでの手を引く。

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