《MUMEI》
ストーカー
(どうしよう…なんか変な奴が着いてきてるし…)

 チラッと後ろを盗み見る。何処からかついてきたキモ男が、ずっと後ろを着いてきている。こうゆうとき、アイツがい
れば……。

 ギュッと目をつむる。その際、少し涙が滲む。

(怖い…)

 ガンッ!

「!?」

 凄まじい衝撃音があがり、振り返る。
あのキモ男はパンパンに腫れた顔をさらに腫れさせ、鼻と口の端から血を流していた。

 ゴゴゴゴゴゴッーー!
「おい…誰の女に手を出してる…」

「ヒィッ」

 咄嗟に逃げ出そうとする男の短い髪を無造作に掴み、引き寄せる。何10本という単位の髪がぬけ落ちる。馬乗りになり、一発、二発…どんどん回数を重ね、
殴打する。

原型が分からなくなるまで、
赤黒い血が溢れるまで、
呼吸が無くなるまで、
心臓が止まるまで、

俺は悪魔だ。
赤い朱い紅い…
視界が赤い…乱舞が狂乱に変わる。
謳え、舞え、喜びに絶えよ

「ケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケ」

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