《MUMEI》 貴子叔母さん返せよ! おっ、けっこう持ってんじゃんか 新聞配達は、儲かるのか? 返せ! 暴れてんじゃねーよ! もっと、痛い目みたいか? 適当にしばいとけ、ゲーセン行こうぜ イジメられても、ずっと我慢してきた だけど 初めて、本気で人を殴った 俺を押さえつけてた同級生の顔面を 乱闘になった こいつ、こいつさえ黙らせば 無我夢中だった お巡りさんが来てた 返せ!俺の金を返せ! 俺、叫んでた 取り押さえられたのは、俺だった 警察署に、施設の人が呼びつけられてた 頭を下げてる 何で?、悪いのはアイツらじゃねーか?! 黙れ、翔!、お前何てことをしたんだ! 少年院に行きたいのか?! 理不尽だ、何なんだよ! 俺に、親が居ないから、だから、こんな 俺、頭を下げなかったんだ、誰にも 警察署から、出して貰えなかった 何処かに移送されるらしい だけど、事態が変わったんだ 連れられて行った部屋に、貴子叔母さんが、居たんだ 俺を見た、貴子叔母さんが 翔、お葬式以来ね お金は取り戻したわよ、悪いのは向こうよね、もう、大丈夫よ そう、言ったんだ 貴子叔母さんは、母さんの、姉 でも、母さん、あまり仲良くなかったはず 俺、施設に戻ったんだ 親の居ない子供たちが集まり、暮らす場所へ みんなの態度が、変わってた 怯えてるの? わけは、直ぐにわかった 俺、学校に来るなと言われたんだ 俺をカツアゲした、あの、高校生は、入院してるって その、弟の、俺を押さえ付けて奴は、鼻を骨折 知るかってんだ アイツ、切れると人殺しすんぜ、 マジヤベーよ 俺らもイジメたから、仕返しされるかもしれねーよな 近寄らない方がいーぜ、変わり者だからな そんな、陰口が聞こえてたんだ ………… 次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |