《MUMEI》
仲間
ふぅ…

やっと、お城に着いた。

由「私のお城から遠いんだね」

羅「地図では、近いみたいだよ」

私は、地図を広げた。

由「本当だ」

羅「危うく、迷うところだったよ」

由「確かにね」

私と由羅は、お城の中へ入った。

由「うっわー!私のお城より綺麗!」

羅「どっちも、同じだと思うよ」

どっちも、綺麗だね。

?「羅乃?」

え?

私は、声がした方を見た。

そこには、水色の髪をした女の子がいた。

首には、私と同じネックレスをしていた。

でも、色は違う。

その女の子の人、水色の貝殻と真珠。

?「羅乃、帰ってきたのね」

その女の子は、急に泣き出した。

えっ!?

どうすればいいの!?

とりあえず、名前を聞こう!

羅「あなたは?」

?「覚えてないの?」

羅「会ったことあったっけ?」

?「覚えてないなら仕方ないわ。私は、水音。あなたの仲間よ」

羅「仲間?」

水「えぇ」

羅「私といつ会ったことがあるの?」

水「10年も前よ」

羅「そうなんだ」

水「羅乃、その子は?」

由羅のことかな?

由「私は、由羅よ!あなたと同じ羅乃の仲間よ!」

水「そう、宜しくね」

由「宜しく」

そういえば、なんで水音はお城にいるんだろ。

由「なんで、水音が羅乃のお城にいるの?」

私が言いたかったことを由羅が言った。

水「羅乃が帰って来てるか見に来たの」

羅「私を?」

水「そうよ」

由「なんで羅乃を?」

水「会いたかっただけなの…泡になったんじゃないかって思って…」

泡になる?

由「大丈夫!羅乃は、泡になんかならないよ!」

???

なんで泡になるの?

羅「ねぇ、泡になるって?」

由「知らないの!?」

羅「なにを?」

由「知らないんだ」

水「人間と恋をしたら、泡になってしまうんです」

羅「なんで?」

水「私達人魚は、泡から生まれたんです」

羅「泡から!?」

水「そう。でも、羅乃のお母様は4/2の確率だったのに大丈夫だった」

由「てことは、羅乃は4/1の確率なの?」

水「たぶんだけどね」

私には、4/1の確率があるんだ…

お母さんは、命がけだったんだね。

?「羅乃!」

羅「お母さん!」

母「水音ちゃん、由羅ちゃん、ゆっくりして行ってね」

水「はい!」

由「花羅さん(羅乃のお母さん)、お久しぶりです」

由羅は、お辞儀をした。

母「久しぶりね」

会ったことあるのかな?

水「花羅さん、1つ聞いていいですか?」

母「いいわよ」

水「なんで、突然帰って来たのですか?」

そういえばそうだ。

どうして、前からここにいなかったんだろう。

母「…帰って来たくなかったの」

???

意味が分からなかった。

でも、お母さんの目は悲しそうだった。

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