《MUMEI》
高校生活
毎朝、真奈美さんと一緒に通学してたんだ
俺が一年生で真奈美さんが三年生

直ぐ、噂になった
噂って恐いね、同棲してるって、流れてた

暫くすると、俺の素性がひろまり
そして、あの、ストーカー事件の事までひろまったんだ

目立ちたくない、俺としては、ウザい
超ウザかった

それなりに仲良くなった人も出来たけど
みんな、地元はバラバラだし
塾やら習い事があって、放課後誰かと遊ぶってのは無かったんだ
それに、俺、バイトがあるしね

おじさん、コンビニを3店舗やってるんだ
だから、学校帰りに行ける店に変わったんだ

進学校の、この学校で、バイトをしてる学生は少ないんだ

仲良くなったひとたちとも、どんどん疎遠になってく

まぁ、いつものことだよな

そして、あのストーカー事件の犯人は、この学校の生徒だと、知った
そして、真奈美さんが付き合ってた男の事も、嫌でも耳に入って来るんだ

しかも、その男と、今も塾が同じなんだってさ
真奈美さん、俺に話してくれなかったなぁ、そんなこと

俺、日曜日もバイトだし、デートらしい、デートなんかしてないし

そんな矢崎、真奈美さんが日曜日に出掛けた日があったんだ

たまたま、遅番の人が時間を間違えて、早く来て
俺、1時間早くバイトを上がったんだ

駅に通じる遊歩道を歩いてた
左右に洋服店や、靴屋さんが並んでる
インターロックの道
何気にオープンカフェを見たんだ

あれ?、真奈美さん

四人掛のテーブルに、カップルが、二組
真奈美さんの横に男が座ってた、
親しげに、テーブルの上の何かを見てたんだ

目が、釘付けになった

男が真奈美さんに、キスをしたんだ!

真奈美さん、軽く怒った感じだったけど、また、何かを皆で見てたんだ

胸が、苦しくなった
脚が、固まってた

笑ってる、何を話してんだろう

男が真奈美さんの肩に手を伸ばした

見たくない!

何かが弾けた
俺、一目散に走ってた

文句を言いに、駆け寄りたかったけど
俺は、ただの親戚
親無しの居候だと、皆が知ってる

最近じゃぁ、通学の時のボディーガードとかって、言われてる

気付いたら、公園に居た
ベンチに座ってた

携帯電話の、メロディが、聞こえた
俺にメールしてくる人なんて、限られてる

真奈美さんだ

バイト終わったかな?
駅で待ってるから、一緒に帰ろう

そう、書かれてた

俺、何かの間違いだと、言い聞かせながら
待ち合わせの場所に行ったんだ

そこに、四人居た
あの店に居た人達だ

遅いよ、翔、待ちくたびれたわよ、

あ、ごめん

じゃぁね、後は楽しんでね

ちぇっ、日曜日まで、ボディーガード付きかよ
ボディーガード君、真奈美をしっかり送りたまえよ
痴漢なんかに合わすんじゃねーぞ

真奈美さんに、キスした男が、俺にそう、言ったんだ

…………翔、聞いてるの?

あ、うん、ごめん

疲れてるの?、なんか変だよ

ごめん

もう、つまんない!
何よ、バイト先で何があったの?!

つまんない

つまんないんだ

翔、、降りるよ、翔、!

真奈美さんが、何か言ってた

電車の扉が閉まったんだ

翔、!!

電車が動いてく、真奈美さんは、直ぐ、見えなくなったんだ

……………

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