《MUMEI》
channel昼八
学校は会社に似ていて、クラスはいわば社会体験だ。

俺は恐らく出世には届かない落ちこぼれの窓際社員。

俺達より上司にあたるクラスメイト達はスポーツに汗を流し恋愛に青春を費やしたり……まるで漫画の主人公のような学園生活を送っている。

メガネには数種類ありイケメンのファッショナブルな眼鏡や可愛いと愛でられる眼鏡、俺達の部類は顔の一部として空気眼鏡前者は成功例だ。
俺の眼鏡は顔に張り付いて、鼻になんとかひっかかっている。

友人の立花は絵に描いたようながり勉の分厚い眼鏡しか記憶に残らないくらいの地味な影のある男だ。
人見知りのせいで人前で話すのが苦手ですぐ黙りこくる、俺にはぽそぽそと語りかけるがお互いマニュアル通りの面白みの無い会話だ。

これで突然女子に告白なんてなれば昇進確実だが先ずそんなファンタジーは起こらない。
日々、単調な生活を送るのが無難だ。


今日もママチャリに乗って友人を追い越してゆく。
昼休みには適当に買ったパンを友人の机に仲間同士で囲む。

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