《MUMEI》

戸谷はコンビニまでおにぎりを買いに行く。
そして五目おにぎりと何かをプラスしてくる。
昨日はサラダだった。
俺は面倒臭いから売店で済ませる。

立花はお母さんのお手製弁当だ、ちょっと可愛いお母さんだと思う。
それぞれ環境も性格も違う俺達ではあるが、外見は似ているのでよく周りに間違えられる。
戸谷はそれが不服だったが俺は気にしないし、立花は毎回訂正するのも申し訳なさそうにした。

戸谷と俺は背格好が似ていたので間違えられるのも納得したが、立花は実は美形だと思う。
美形というより、肌が白くて眼鏡の下には少女っぽい幼いロリ顔が隠れている。

しかし、眼鏡がダサい。
それも挙動不審だから気持ち悪いオタクと当て嵌められている。
正直、眼鏡=ダサい=オタクなんて図式は心外だ。俺だって普通に毎週漫画雑誌を購読する程度の高校生なのだから。
戸谷の家は美少女アニメのポスターに同人誌とフィギュアに塗れていてガチのであったが……、それに関しては個人の趣味だし特には突っ込まない。

つかず離れずの距離感が保てるのが、俺達の良いところだ。

なので、立花が兄貴とベッタリで憧れの先輩にストーカーをしているのも深くは関わらない。

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