《MUMEI》
居場所
   〜麻子視点〜


日曜日に

香奈が優斗に

告白したこと、優斗には

好きな子がいることを

香奈から聞いた。


私は、優斗を好きになったことを

誰にも言ってなかったから

平気なふりをして

香奈を元気づける言葉を言うことしか

出来なかった。

でも香奈は

割と元気そうで

優斗のこと吹っ切れてるみたいだった。


私は、もうそれ以上

香奈の口から

優斗のことを聞きたくなかったし

涙を堪えるのも

限界に達していたので

用事があるから

って嘘ついて

自分の家に帰っていった。

家に帰る途中

私はずっと

泣くのを我慢してた。


なるべく何も考えないようにしてた。


家に着いた途端に

涙が溢れ出た。


優斗・・・・・。


優斗、優斗・・・・・・・。

私は、自分の部屋のソファに倒れ込み

クッションに顔をうめて泣いた。

優斗に好きな子がいるっていうのも

悲しかったけど

その悲しみを

誰にも聞いて貰えないことも

すごく辛かった。


香奈は、前に進もうとしてる・・・。

私は、この気持ちを

なかったこととして

誰にも伝えずに

優斗を諦めなければいけないの?



私には、頼れる人が

居なかった。

今の私の心は

・・・・・独りだった。


香奈や実穂と一緒に居ても

心だけは、独りだった。


それは、2人に

隠し事をしているから。



私の居場所はどこ??


私が居てもいいところは

どこにあるの?


ぐるぐると


出ない答えを

探していた。


月曜日も

そんな感じで過ぎていった。


私は、バレー部に入っていて

どんな辛いことが

あっても部活だけには

支障が出ないように

やってきた。

でも今日は、気持ちの切り替えが

出来てなくて

ミスばかりして

先輩に怒られた。

「やる気がないなら

他の子の練習の

邪魔になるから

帰って!!」


私は、その言葉に

部活での居場所も

無くなってしまった気がして

みんなに謝って

走って体育館から出て行った。

その帰りに

君に会ったんだ・・・。

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