《MUMEI》 スクーター翔、学校に掛け合って来たぜ OKだ、バイクの免許取れ 正浩さん、学校は認めてくださったの? ああ、ごねてたがな 翔は、親が居ない、妹の面倒も見てかなくちゃ、ならない 学生が事業を営んだら悪いと、誰が言える 生きてかなくちゃならないんだ 生きるための何かを学ぶのが学校だろ?! 奴等、なーんも言えなくなってたぜ 特例中の、特例だそうだ 勝ち誇ったように、おじさんが、話してたんだ ただな、通学は困るそうだ 他の生徒への影響もあるし、事故でもさらたら学校にも、責任が掛かるってな でも、翔の店までオートバイで行けたら、楽よね? そうだろ、こいつ、ほっとくと店に勝つために泊まり込みやがるからな 家族は揃ってた方が、楽しいからな おじさん、楽しそうに、笑顔で、そう話してたんだ 俺、教習所に通ったんだ そして、中型自動二輪を、取得して 大きなスクーターを、買ったんだ パールホワイトで、メッキパーツが施されてて ライトも蛍光灯のように明るい、新車のスクーターを こんな、高い買い物、生まれて初めてだった 初めは私が後ろに乗るの! やだ、私が先! 私は翔の彼女よ! 私、妹だもん、それに初めてをあげたんだから、私が先! 何よそれ、関係ないじゃない! 真奈美と春菜が喧嘩してたんだ 貴子叔母さん、呆れて顔してた なんだ、これ、ギアー付いてるのか? おじさんの質問に ううん、オートマチックだけど、マニュアル操作も出来るんだって まだ、使ったことないけど CVTみたいなもんか? ちゃんと乗れるのかぁ? あっ、バカにしてるでしょ? 教習所は、普通のギア付きだったからね、余裕だよ、スクーターなんて 春菜、おいで、店まで行くからさ やったぁ、私が一番だぁ 翔!、なによ!もう 真奈美、明日の日曜日、海まで行こう 付き合ってよね やったぁ、デートだわ ズルいぃ、でも、いいや、たまには二人きりにさせてあげるわ 春菜の言葉に、真奈美、怒ってたけど みんな、笑ってたんだ …………… 前へ |次へ |
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