《MUMEI》

「それから注意しとくが、その剣には
触らない方がいい。俺以外の奴がそいつに触ると・・・・」
男の警告は間に合わなかったようだ。
ドレットヘアの小馬鹿にしたような笑いの後、何かが破裂する音が辺りに響きわたり、同じ人間の口から凄まじい苦鳴がほとばしったのだ。
(何だ?!何が起きたーー!)
モヒカンが視線を巡らせた先では、右肘のズタズタに弾けた切断口から、おびただしい鮮血を撒き散らしながら、
ドレットヘアが「あぐわががーー!!」
口から泡を吹いて転げ回っている。
無法者達の間を一瞬の内に、先程とは打って変わり冷たい戦慄が走り抜けた。
「あ〜あ、だから言ったのに・・・・
。この剣は例の大隕石が空で爆発した時に、地上へ落ちた欠片(かけら)から
抽出した、オリハルコンて金属を精製した特別製でね。持ち主以外の奴が触ると、
ドッカーンてな事になる 、物騒な代物なんだよな、これが・・・・」
呆然としているギャラリーに相変わらず対して関心も無いように、淡々と語りかけながら、砂上に突き刺さった剣に歩み寄ると柄を掴み引き抜く。
大剣は(ヴヴヴヴ・・・・)と電気でも帯びているかのように、細かい振動を発していたが、男の手が触れた瞬間に振動をぴたりと止めた。

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