《MUMEI》

俺も俺で、一応受験生だから毎日塾にも行って、土日はダチと遊んで。


中学生活が終わると同時に俺達は遠く離れ離れになる。



だから過ぎ去る日々を歯痒く辛く感じながら、でも何もできなくて。




そんな風にもたついているうちに俺達は卒業式を迎えた。






卒業式の後クラスごとに謝恩会があって俺達は擦れ違う事すらできなかった。




卒業式の二日後県立の高校の入試があって。





その三日後合格を知って。




その日学校に報告に来たのは県立組みだけ。


前嶋はやっぱり居る訳もなくて。







でもその日の夜前嶋から電話がかかってきた。




おめでとうって…。




それは遠く離れた宮城県からだった。



前嶋は卒業式の次の日から入学する高校のある土地に行ってしまっていた。








俺に受験に集中させたい気遣いでその事実は、前嶋がいなくなってから分かった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫