《MUMEI》 ・ 「前嶋ッ!」 前嶋の体温で温まったキーホルダーを握りしめながら 俺は前嶋をきつく抱きしめたまま 「もう一人ぼっちにはしない、これからは…、一緒にいよう」 「たかはらぁ…」 「好きだ!前嶋が好きだ!もう何処にも行かせない、…… キーホルダーの代わりに、俺が前嶋を守る…」 泣き顔のままだけど幸せそうに笑った前嶋に、俺はゆっくりと唇を重ねた。 触れるだけのキス。 だけどそれはずっとずっと恋焦がれていたもので。 「始めてキスしちゃった」 涙を拭いながらそう言った前嶋に俺は再び唇を重ねた。 愛しくて切なくて 胸がいっぱいで。 前へ |次へ |
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