《MUMEI》 月曜日、仁衣菜はげっそりした顔で学校に向かった。 あれから家に帰って泣いた。 目の腫れは日曜日のあいだに直ったけど ご飯が喉を通らなくてげっそりしている。 「はあああぁぁぁ……」 と肺がへこみそうなぐらい大きなため息をついた。 するとぽんっと背中をたたかれた。 後ろをふりむくと、今一番顔を合わせたくない瑛斗がいた。 瑛斗を見るとまた、泣きたくなってくる。 けどここは学校だから涙をおさえて できるだけ自然に「あ、おはよー」と言った。 すると瑛斗が「どうしたの?その顔」と聞いてきた。 けど今はあまり喋りたくなかったので 「えっ、別にー?じゃあ私先に行くねっ」 とだけ言ってだっと走り去った。 後ろで「えっ!?仁衣菜!?」という声がした。 前へ |次へ |
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