《MUMEI》
入ってた。
公園を出てすぐ右に曲がるとみすぼらしいマンションが見えた
此処に引っ越してきたのは丁度高校卒業したころだったと思う
足を置くたびに軋む螺旋階段を上がって一番奥、204号室が俺の部屋だった
「ただいま」
誰もおかえりと返すはずも無いのについつい言ってしまう
その後に普段ならば絶対に聞こえない声が聞こえる
「お邪魔、、します。」
か細い声ではあったがはっきり聞こえた
結局ついて来てしまったそのこ、もとい真君は玄関をくぐるないなやきょろきょろと挙動不審になってしまった。
シンプルイズベスト、生活に必要なものしか置かれてない部屋は子供にしては面白みなど全くないだろう。
「適当に座ってて、飲み物…あー、なに飲める?」
「なんでも飲めます…」

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