《MUMEI》
2.リビングデッドの夜
ベイビーブラッドが立ち去り、辺りに
闇がたちこめるのを待ちかねたように、砂上にムクリと身を起こす者がいた。
オリハルコンの大剣に触れて、右腕の肘から先を吹き飛ばされた、ドレッドヘアである。
鬼化した人間特有の回復力のために、傷口はもうとっくにふさがっている。
大分前から目覚めていたドレッドヘアは、死んだふりをして嵐が過ぎるのを
待っていたのだ。
ドレッドヘアは周囲のもう黒い塊としか 見えない仲間の屍を見回すと、
クックックックッと押し殺したような
笑い声を漏らした。
「運のねー奴らよ!それに比べると俺ってラッキー♪やっぱり日頃の行いが良い奴は違うってかー?ひゃーっ、ひゃひゃひゃ!!」
仲間に対する同情心など欠片も見せずひとりごちると、やっこらせ、と立ち上がる。
「しかし、まさかあのまぬけヅラが、
噂のジェノサイダーだったとはな・・・伝聞の通りえれー強さだ。
まぁ、俺の野獣の本能は真っ先に奴が
ただ者じゃねー事を見ぬいていたが。
このぶんだと奴はシーカー・シティに
逃げこむに違いねー。
ここは早速ボスに報告して、なぐりこみだーっ!!
久しぶりに人間狩りが楽しめるぞ!
ジェノサイダーめ、みていろ!
このお礼はたっぷりしてやるぜ!
お前なんかボスに比べたら、雑魚雑魚雑魚雑魚雑魚ーー!!だ。」

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