《MUMEI》

まるで人気の無い闇の中に、命拾いをしてハイテンションとなったドレッドヘアの声が、むなしく吸い込まれていく。
突如一陣の冷たい風がピューーと吹き抜けて、ドレッドヘアは身震いした。
砂漠では昼夜の気温差が激しい。
(ちぃ、やけに冷え込んできやがったぜ。早いところ、砦に戻るか・・・・)
左手首につけた腕時計のような物のボタンを、棒状になった右腕でピッピッと
器用に押す。
画面には砦への方向を示す矢印と、何を表しているのかわからないが、数字が
表示されていた。
数字のカウントがみるみる上昇していく様を見て、ドレッドヘアの顔色がぐんぐん青ざめていく。

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