《MUMEI》
君への思い〜優姫〜
「ふぁ〜」

高校への道を歩きながらあくびをする。

私、日向優姫は高校生になりました。家から学校はそんなに遠くないからゆっくり行くことができる。

「麻衣もう着いたかなぁ」

中学校時代からの親友、相坂麻衣は、家から学校まで約徒歩5分で行け、今日の入学式は先に校門で待っているはずだ。

「急がなくちゃ」

麻衣を怒らせると怖いので少しペースを速める。

「優姫〜」

不意に後ろから名前を呼ばれ振り返ってみると幼馴染の波崎将が、自転車に乗って走ってくる。

「将おはよう!」

「おっす!優姫、何急いでんの?」

「んっとねえ、麻衣を校門で待たせているから早くいかないと怒られんの」

「なるほどね。だったら後ろ乗れよ」

えっいいのかな?

「いいの?」

「ダメなわけがねえじゃん」

やっぱりやさしい〜。

「やった!」

私は将の自転車に乗った。

「よし、ちゃんとつかまったろよ!」

「わっ!」

は…速い、ええ〜こんな速いの!

そして、あっという間に学校に着いてしまった。

「ほい、到着」

「将、ありがとう〜」

「いいって、入学式に遅れたらいやだもんな!」

そう言ってニコッと笑う。うわぁ〜、か、かっこいい…。絶対、告白されまくるな…。

「はぁ〜…」

「ん?どうかした?」

「ううん、別に大したことじゃないよ」

そんなやり取りをしていると

「優姫〜!遅いよ」

麻衣ちゃん登場。ハッ忘れてた!

「わあ〜、ご、ごめん!」

ほんとうにすいません。

「もう!あれ?なんだ将君も一緒だったの。だったら遅くても許すか。」

「ま、麻衣!何言いだすの!」

将の前で何を言い出すんだ。

「?俺が何か」

ハッ

「な、なんでもないから!」

もう〜絶対後で覚えてろよ!麻衣〜!

そんな視線に気づいたのか麻衣がゴメンと手を合わせる。

はぁ〜朝から心配だよ…

「ゆ、優姫、入学式始まっちゃうよ、速く行こっか!」

そんなごまかしが・・・ってあっ!入学式忘れてた!やばい!

「い、急がなくちゃ〜」

「おい、俺の存在無視かよ…」

あっ忘れてたテヘッ

「き、気のせいだよ。」

いや、違うけどね・・・・。

「まあいいか。早くいくぞ!」

「うん!!」

朝から将に会えるなんて今日は良いことがあるのかな?

入学式の最中、私はそんなことを思っていた。

私はずっと将に片思いをしている。それは今でも変わりない。

将は昔からかっこよくて、毎回たくさんの女子に囲まれている。

はぁ・・・今年はもっと大変だろうな・・・。

「姫・・・優姫!!!」

えっ?

「優姫!!いい加減、話を聞け!!!!」

「ま、麻衣?」

「麻衣?じゃないわよ!!入学式終わったよ」

えええ!!もう終わったんの?

「何回、呼んだと思ってるのよ!!」

「ご、ごめん・・・。ちょと考え事を・・・」

「フッ、どうせ将君のことなんでしょう?」

す、鋭い。麻衣は私が将のこと好きだって知ってるから・・・。

「な、何のとかなっ?ほ、ほら、クラス分け見にいこ!!ねっ!」

「ええーー・・・」

「ねっ!」

早く話題を変えなくては!!

「むぅ・・・しょうがないな」

「ほっ」

よかった。あのままだったら、また何を言われるかわからん!!

「だったら、早くいくよ!」

「あっ、うん!!」



「あっ、優姫、同じクラスだよ!!」

「えっ?ホント?」

「うん」

「やったーーーー!!!」

麻衣と同じクラスなんて神様ありがと!!

「それに」

「んっ?」

なんだろう?なんか他にいいことがあるのかな?

「将君と同じクラスだよ。よかったね」

なっ!!将と同じクラスなんて・・・うれしい!!神様ありがとうございます!!!!

「麻衣〜すっごいうれしい!!」

「フッ、じゃあクラスに行こっか!」

麻衣と将が、一緒のクラスにいるなんて。他にどんな子がいるのかなあ?

私と麻衣は、1−1クラスに向かった。

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